恐怖病院

私は奥歯を噛み締めて立ち上がると、手の甲で涙を拭った。
次から次へと溢れてきそうな涙をどうにか押し留めて前を向く。

「ごめん。泣いてる暇はないんだよね」
そう言うと貴也はホッとしたように微笑んだ。
「あぁ。俺こそ叩いてごめん」

私は首を左右にふる。
叩いてくれたおかげで目が覚めた。
残る部屋は渚ちゃんを見つけたあの倉庫のみだ。

お化け屋敷の終わりはもう目の前まで来ている。
私は再び歩き出したのだった。