《恐怖病院》の中は薄暗くぽつぽつと常夜灯で照らし出されているだけだった。 足元が見えづらくて、自然と歩く速度は遅くなる。 ふたり並んで歩ける通路は奥まで続いていて、どこからか悲鳴が聞こえてくる。 私は強く人形を抱きしめながら貴也の後を歩いた。 私の後からは浩介と佳奈美がついてくる。 最前列や最後尾にならなくてよかった。 しばらく進むと目の前に受付と書かれているプレートが見えた。 その文字は薄汚れて消えかけている。