恐怖病院

そのぬいぐるみは渚ちゃんが持つことになった。
左手でぬいぐるみを抱きかかえるようにして握りしめて、右手で私と手をつなぐ。
入り口の手前で一度大きく深呼吸をして、自分に気合を入れた。

今度は貴也たちはいない。
私がしっかりしなきゃいけないんだ。
自分自身にそう言い聞かせてゆっくりと歩いていく。

「相変わらず薄暗いね」
通路はどこまでも薄暗く、太陽光に慣れてた私は目をこらして前方を見つめた。
お化け屋敷のどこか奥の方から悲鳴が聞こえてくる。

だけどその悲鳴はアトラクションを楽しんでいる悲鳴で、本物の悲鳴ではないことがすぐにわかった。
「このお化け屋敷は演出が変わるんだよね?」