恐怖病院

それに浩介と佳奈美もどこに行ってしまったのかわからないままだ。
目の前で消えたなんて説明して信じてもらえるかわからないけれど、大人の助けが必要だった。

「え、それはどういうこと？」
キャストが驚いて目を丸くしている。
「大鏡の噂を試したんです。そしたら、本当に鏡の世界に入っちゃって、それで友達がどんどん消えてしまって」

説明しながら早口になる。
自分が経験したことが未だに信じられなくて、心臓がバクバクしてきた。
けれど私が説明すればするほど、キャストの表情は怪訝なものへと変化していく。

話し終わる頃には完全に呆れ顔になっていた。