「そうか。ならお前は族の関係者か?」

「そうかもね」

「...じゃあ、」

「これでは埒が明かないですね。なのでひとまず友達から始めてみるのはどうでしょうか」



総長が何か言いかけたところで真面目そうな奴が急に出てきて言った。



まあ埒が明かないのは事実だが、友達からって何だよ。
私はお前らと友達になるつもりはねーよ。



「はあ。話はそれだけ? なら行っていい?」



新のとこ行きたいし。



「ダメだ。友達からならいいだろ」

「嫌だ。もう行く」



時間がもったいないのでそう言って屋上のドアへ向かうが、龍王の幹部達が許してくれるはずもなく...

真面目そうな奴が満面の笑みを浮かべながら足で私を壁に追いやった。



「ダメですよ?」



後ろには他の幹部。また囲まれてるよ。
こういう時って人数が多いと有利だよな。

どうしようか。このまま隙をついて逃げてもいいけど、明日からも付きまとわれそうだし…
付きまとわれても無視すればいいけど女共から恨みを買うかもだし…

友達からはめんどいし、偵察も兼ねて幹部として入ろうかな。