「わーすごいすごい。さすがかなんちゃーん」 「……すこしは真剣に慰めてみたらどうなの」 「真剣に?」 「そうよ」 頑張っている、だなんて「みんなそうだ」と言われてしまえばそれまでで。子どもみたいな言い分に乾いた笑いがこぼれた。 「やっぱり、なんでも──」 売り言葉に買い言葉みたいに放ってしまった言葉をすぐに覆そうとした、けど。 甘い香りを纏った彼は、簡単にわたしの言葉を止める。 「……こう?」