竜がイージスを滅ぼしたのは分かったが、竜が帝国の城下に現れた理由は何なのだろうか。
「その竜とやらの目的は、やはりお前か?」
「だとしたら、無関係の人を襲ったのは何故なのでしょう」
ヴィルジールは顎に手を添えた。
「聖女を誘き出す為、と考えるのが妥当だと思うが」
ルーチェも同じことを考えていたのか、黙ってうなずく。
「わたしもそう思いました。ですが、竜はわたしのことを襲いませんでした。それは何故なのでしょう?」
城下を襲った、イージスを滅ぼした竜は、ルーチェの姿を間近で覗き込んできたというのに、傷一つつけてこなかったのだ。それどころか、喉を鳴らして笑っていた。
「あの時、竜は俺と誰かを比較していた。奴には劣るが、中々の力だと。もしやその相手は、聖王ではないのか?」
「つまり、聖王様は……」
ヴィルジールはルーチェと目を見合わせ、頷き合った。ふたりは答えを確かめ合うために立ち上がり、歩みを進める。
「イージスを滅ぼした竜は、聖王と闘った。その場には聖女であるお前も居た。だが、お前は民を守るために、力を使い果たした──というところか」
「竜は、喰らってやったとも……言っていましたね」
ルーチェの表情が暗くなる。あの日の出来事を思い返しているうちに、嫌な考えが過ぎったのだろう。
「その竜とやらの目的は、やはりお前か?」
「だとしたら、無関係の人を襲ったのは何故なのでしょう」
ヴィルジールは顎に手を添えた。
「聖女を誘き出す為、と考えるのが妥当だと思うが」
ルーチェも同じことを考えていたのか、黙ってうなずく。
「わたしもそう思いました。ですが、竜はわたしのことを襲いませんでした。それは何故なのでしょう?」
城下を襲った、イージスを滅ぼした竜は、ルーチェの姿を間近で覗き込んできたというのに、傷一つつけてこなかったのだ。それどころか、喉を鳴らして笑っていた。
「あの時、竜は俺と誰かを比較していた。奴には劣るが、中々の力だと。もしやその相手は、聖王ではないのか?」
「つまり、聖王様は……」
ヴィルジールはルーチェと目を見合わせ、頷き合った。ふたりは答えを確かめ合うために立ち上がり、歩みを進める。
「イージスを滅ぼした竜は、聖王と闘った。その場には聖女であるお前も居た。だが、お前は民を守るために、力を使い果たした──というところか」
「竜は、喰らってやったとも……言っていましたね」
ルーチェの表情が暗くなる。あの日の出来事を思い返しているうちに、嫌な考えが過ぎったのだろう。


