目を開けると、真っ先に飛び込んできたのは、息を呑むほど美しい青色の瞳で。見つめ返すと、ゆっくりと見開かれていった。
「ルーチェ。俺の声が聞こえるか」
ルーチェは瞬きをしながら頷いた。
ヴィルジールは静かに「そうか」と吐くと、安堵したように表情を緩めた。
目を閉じて、意識の中で聖王と話をしてから、どれくらい経ったのだろうか。窓を見遣ると、それほど時は経っていないのか、外はまだ明るかった。
ヴィルジールへと視線を戻すと、彼は真っ直ぐにルーチェを見つめていた。何かを確かめるようにルーチェの耳に触れ、そのまま首筋へと指先は下りると、鎖骨で止まった。
「目を、覚まさなかったら……国中の医師を呼びつけるところだった」
こてん、とルーチェの肩にヴィルジールの頭が乗る。さらりとこぼれた銀色の髪からは、彼専用の浴室で嗅いだものと同じ匂いがして、くらくらとした。
ほのかに甘いその香りは、ヴィルジールの匂いだ。鼻を擽られると、落ち着かなくなる不思議な匂い。
肩に乗ったヴィルジールの頭は、そこから動かない。その重みと温もりに、肌を掠める彼の吐息に、ルーチェの心臓は悲鳴を上げそうになった。
「ヴィ、ヴィルジールさま……?」
いつもなら、抑揚のない声で「何だ」と返されるが、今のヴィルジールは何も言わなかった。ただ黙って、ルーチェの肩に頭を預けてきている。
それほどまでに、心配を掛けてしまっていたのだろう。
「ルーチェ。俺の声が聞こえるか」
ルーチェは瞬きをしながら頷いた。
ヴィルジールは静かに「そうか」と吐くと、安堵したように表情を緩めた。
目を閉じて、意識の中で聖王と話をしてから、どれくらい経ったのだろうか。窓を見遣ると、それほど時は経っていないのか、外はまだ明るかった。
ヴィルジールへと視線を戻すと、彼は真っ直ぐにルーチェを見つめていた。何かを確かめるようにルーチェの耳に触れ、そのまま首筋へと指先は下りると、鎖骨で止まった。
「目を、覚まさなかったら……国中の医師を呼びつけるところだった」
こてん、とルーチェの肩にヴィルジールの頭が乗る。さらりとこぼれた銀色の髪からは、彼専用の浴室で嗅いだものと同じ匂いがして、くらくらとした。
ほのかに甘いその香りは、ヴィルジールの匂いだ。鼻を擽られると、落ち着かなくなる不思議な匂い。
肩に乗ったヴィルジールの頭は、そこから動かない。その重みと温もりに、肌を掠める彼の吐息に、ルーチェの心臓は悲鳴を上げそうになった。
「ヴィ、ヴィルジールさま……?」
いつもなら、抑揚のない声で「何だ」と返されるが、今のヴィルジールは何も言わなかった。ただ黙って、ルーチェの肩に頭を預けてきている。
それほどまでに、心配を掛けてしまっていたのだろう。


