◇
風に頬を撫でられる感触で、ルーチェは目を覚ました。
(……ここは?)
見慣れない天井だ。深い青色に、蔦のような模様が白色で描かれている。上半身を起こすと、毛布代わりにと誰かが掛けてくれたらしいコートが、するりと下に落ちた。
(これって……)
ルーチェはコートを拾い、辺りを見回した。
部屋の奥には書類が積み上げられている机があり、その後ろには大きな窓が、片側の壁には本棚が三つ並んでいる。ルーチェが寝ていたのは入り口近くにある大きな長ソファだ。
広く殺風景な部屋だが、青や白の調度品で整えられているこの部屋は、ヴィルジールの仕事部屋だろうか。
「お目覚めになられましたか? ルーチェ様」
いつからそこに居たのか、扉の横にはセルカと離宮の使用人であるイデルが立っていた。ふたりとも温和な笑みを浮かべている。
「……あれ、私……」
ルーチェはコートを見つめながら、記憶を巡らせていった。
今日は正午から書庫を訪れていた。そこでノエルに会い、聖なる光の力を使い方を教えてもらい、その足で中庭に行き──読書をしていた時に、ヴィルジールがやって来たのだ。
(そうだわ……!ヴィルジールさまがお休みに……)
肩を貸せと言ってきたヴィルジールに、ルーチェは応えた。だがそれからの記憶がないということは、おそらく隣で眠ってしまったのだろう。
そして、ヴィルジールがここに運んでくれたのだ。彼のものであろう、清廉なデザインのコートからは、知っている香りがした。
風に頬を撫でられる感触で、ルーチェは目を覚ました。
(……ここは?)
見慣れない天井だ。深い青色に、蔦のような模様が白色で描かれている。上半身を起こすと、毛布代わりにと誰かが掛けてくれたらしいコートが、するりと下に落ちた。
(これって……)
ルーチェはコートを拾い、辺りを見回した。
部屋の奥には書類が積み上げられている机があり、その後ろには大きな窓が、片側の壁には本棚が三つ並んでいる。ルーチェが寝ていたのは入り口近くにある大きな長ソファだ。
広く殺風景な部屋だが、青や白の調度品で整えられているこの部屋は、ヴィルジールの仕事部屋だろうか。
「お目覚めになられましたか? ルーチェ様」
いつからそこに居たのか、扉の横にはセルカと離宮の使用人であるイデルが立っていた。ふたりとも温和な笑みを浮かべている。
「……あれ、私……」
ルーチェはコートを見つめながら、記憶を巡らせていった。
今日は正午から書庫を訪れていた。そこでノエルに会い、聖なる光の力を使い方を教えてもらい、その足で中庭に行き──読書をしていた時に、ヴィルジールがやって来たのだ。
(そうだわ……!ヴィルジールさまがお休みに……)
肩を貸せと言ってきたヴィルジールに、ルーチェは応えた。だがそれからの記憶がないということは、おそらく隣で眠ってしまったのだろう。
そして、ヴィルジールがここに運んでくれたのだ。彼のものであろう、清廉なデザインのコートからは、知っている香りがした。


