皆川先生は、ホームルームが終わると、晶子先生と一緒に教室から出ていってしまった。

 一時間目授業は国語。

 いつもの通り、国語の先生が教科書を読むだけ……。

 ここで座って聞いてる意味って何なんだろう。

 辛い。……眠いし。でも眠ったら、怒られて注目の的。

 私は真面目……ということにしてるので、それは絶対だめ。



 二限目……数学の時間。

 実習の先生は最初、教室の後ろで授業を聞く。多分、一年のときと同じ。

 え、後ろ?

 私の席は一番後ろ。

 まさか……。

 そのまさかが当たって、皆川先生は、私の席のすぐ真後ろにパイプ椅子を置いて座った。

 「…………」

 そんなに離れてない‥‥どころか、先生が手を伸ばしたら届いてしまうぐらい。

 ひゃー!

 ちらって振り向くと、皆川先生と目が合ってしまった。

 え? 睨まれた?

 クールって言うより、怖い。

 「…………」

 私は首を縮める。

 確かにかっこいいんだけど、その前に怖い。

 背中が痛い気がする……まあ、そんなに私を見てるはずがないんだけど。