「私たちって、付き合ってどのくらいなの?」


食べ終わったプリンの容器を片付けてくれていた尚人が、手を止めて顔を上げてきた。


「二年くらい、かな」

「へぇ、結構長い。それまではずっと幼なじみだったんでしょ?告白はどっちから?」

「…俺から。花楓の誕生日に、告白したんだ」


–––「忘れないで」


「…っ」


ふと、何かを思い出しかけたような気がしたと同時にちくっと頭が痛み、咄嗟におさえる。


「花楓?大丈夫か?」


慌てたように立ち上がった尚人に、「大丈夫だ」と片手で制しながら笑顔を返す。


「花楓。過去のことは無理に思い出そうとしなくていい。俺の隣に花楓がいてくれれば、それでいいから。それ以外何も望まないから」

「…うん」


まただ、と思いながら尚人に笑い返す。