「直樹のこと、忘れるわけがないよ。こんなに素敵なプレゼント、絶対に忘れない…」
直樹はふっと優しく笑うと、私の頬にそっと手を添えてきた。
「忘れないで。今日のことも、今までの思い出も、これから作る思い出も全部。俺がどれほど花楓を大切に想っているのか、忘れないでほしいんだ。好きだよ、花楓。誰よりも大切にする。だから、俺と付き合って」
「私も、直樹が好き…っ」
ぎゅっと直樹に抱きつく。
直樹は温かい腕で私を受け止めてくれ、強く抱きしめ返してくれた。
長年の片想いが、やっと結ばれた日だった。
◆
「なんで、直樹のこと忘れてたんだろう…。そうだ、直樹は?ねえ、直樹はどこにいるの?」
尚人は今にも泣きそうな顔で、しがみつく私の手をゆっくりと解いてきた。
「…そうだ、俺はずっと花楓に叶わない恋をしていた。花楓がいつも見ていたのは、兄貴だったから。二人が両想いだってことも知ってたよ。だから俺にはもうどうすることもできなかった。だけどやっと最近、二人が幸せならそれでいいと思えるようになってきたところだったんだ。それなのに…」
–––「花楓!」
声を荒げることなんてしない直樹が、初めて私に向かって大声を出してきた。
直樹はふっと優しく笑うと、私の頬にそっと手を添えてきた。
「忘れないで。今日のことも、今までの思い出も、これから作る思い出も全部。俺がどれほど花楓を大切に想っているのか、忘れないでほしいんだ。好きだよ、花楓。誰よりも大切にする。だから、俺と付き合って」
「私も、直樹が好き…っ」
ぎゅっと直樹に抱きつく。
直樹は温かい腕で私を受け止めてくれ、強く抱きしめ返してくれた。
長年の片想いが、やっと結ばれた日だった。
◆
「なんで、直樹のこと忘れてたんだろう…。そうだ、直樹は?ねえ、直樹はどこにいるの?」
尚人は今にも泣きそうな顔で、しがみつく私の手をゆっくりと解いてきた。
「…そうだ、俺はずっと花楓に叶わない恋をしていた。花楓がいつも見ていたのは、兄貴だったから。二人が両想いだってことも知ってたよ。だから俺にはもうどうすることもできなかった。だけどやっと最近、二人が幸せならそれでいいと思えるようになってきたところだったんだ。それなのに…」
–––「花楓!」
声を荒げることなんてしない直樹が、初めて私に向かって大声を出してきた。

