尚人がずっと私に想いを寄せてくれていたのだと知った。
だけど尚人はあの日からもずっといつも通りだったから。
だから私も気づいていないフリをした。
だって私は…。
「私は、尚人の彼女なんかじゃない。尚人の一つ年上のお兄ちゃん、神谷直樹の彼女だった」
直樹は、サラサラの黒髪をセンターに分けた、よく優しく笑う人だった。
◆
「花楓。これ、誕生日プレゼント」
「え、これ私が欲しかったネックレス!?ありがとう!」
私の部屋で14歳の誕生日パーティーを、直樹と一緒にしていた。
尚人は用事があるみたいで遅れてくるとのことで、不覚にも幼い頃からずっと好きだった直樹と今は部屋に二人きり。
直樹は一つしか年が違わないのに、何歳も年上かのように大人っぽくて包容力がありそんなところが昔から好きだった。
「尚人遅いね」
ドキドキしていることをさとられないよう、笑顔を作りながら直樹にそう尋ねる。
「…尚人はもうしばらく来ないかな。俺が少し花楓と二人きりにして欲しいって頼んだから」
だけど尚人はあの日からもずっといつも通りだったから。
だから私も気づいていないフリをした。
だって私は…。
「私は、尚人の彼女なんかじゃない。尚人の一つ年上のお兄ちゃん、神谷直樹の彼女だった」
直樹は、サラサラの黒髪をセンターに分けた、よく優しく笑う人だった。
◆
「花楓。これ、誕生日プレゼント」
「え、これ私が欲しかったネックレス!?ありがとう!」
私の部屋で14歳の誕生日パーティーを、直樹と一緒にしていた。
尚人は用事があるみたいで遅れてくるとのことで、不覚にも幼い頃からずっと好きだった直樹と今は部屋に二人きり。
直樹は一つしか年が違わないのに、何歳も年上かのように大人っぽくて包容力がありそんなところが昔から好きだった。
「尚人遅いね」
ドキドキしていることをさとられないよう、笑顔を作りながら直樹にそう尋ねる。
「…尚人はもうしばらく来ないかな。俺が少し花楓と二人きりにして欲しいって頼んだから」

