数ヶ月後、ルルの恋愛恐怖症は驚くほど改善していた。彼女はユウトと気軽に話せるようになり、ときには冗談まで交わせるようになった。だが、ルクルーゼは最後のステップが必要だと感じていた。
ある夕暮れ、ルクルーゼはルルを診療所の屋上に連れて行った。そこには、ルルが大好きなわたあめが山のように積まれ、星空が広がっていた。
「ルル、恋愛ってね、怖いだけじゃないんだ。誰かを信じることで、こんなキラキラした気持ちも味わえるんだよ」
ルルはわたあめを手に、星を見上げた。
「ルクルーゼ…私、ユウトに気持ちを伝えたい。怖いけど…やってみる」
その夜、ルルはユウトに手紙を書いた。震える手で綴ったその手紙には、彼女の素直な気持ちが詰まっていた。翌日、ユウトから「僕もルルのこと、気になってたよ」という返事が届いたとき、ルルは初めて、恐怖ではなく喜びで心が震えた。