翌日、ルクルーゼはルルを診療所の小さな庭に連れ出した。そこにはルクルーゼが育てたハーブが香り、蜂がブンブン飛び回っていた。ルルは蜂を見て「ひっ！」と縮こまったが、ルクルーゼは笑いながら言った。
「大丈夫、ルル！ 蜂も恋愛も、怖がる前に知ることが大事なんだよ！」
ルクルーゼはルルに、恋愛恐怖症の原因を探るための「心の問診」を始めた。
「ルル、いつから恋愛が怖くなったの？ 何かきっかけは？」
ルルはわたあめをちぎりながら、ぽつぽつと話し始めた。
「小さい頃、好きな男の子に手紙を渡そうとしたの。でも、友達に笑われて…それ以来、誰かを好きになるたびに、傷つくのが怖くなった……」
ルクルーゼはうなずき、メモを取った。
「なるほど、過去のトラウマが原因だね。じゃあ、まずその『怖さ』を小さくする練習から始めよう！」
彼女はルルに、毎日一つ、恋愛に関する「小さな挑戦」を課した。例えば、道で知らない人に笑顔で挨拶する、好きなドラマのロマンスシーンを最後まで見る、といった簡単なものだ。
「ルル、怖いと思うかもしれないけど、私がついてるよ！ 一緒に乗り越えよう！」