糸瀬とだんだんと顔が近づいていき…のところで、光輝に肩を掴まれハッと我に返る。
「おまえ、大丈夫か?また変な妄想でもしてたのか?」
「おま…っ、今いいところだったんだぞ!」
「はー…。零って、実は馬鹿だよな。周りからいつもちやほやされていい気になってるけど、糸瀬さんに“あんたのことなんて絶対に好きにならないから”って言われちゃったんだろ?」
「…いいんだよ。今はまだ、ってことだろ。絶対糸瀬に好きって言わせるんだから!」
光輝は呆れたようにため息をついていた。
*
「ちっ、ついてねぇな」
光輝とわかれてから体操着を持って帰ってくるのを忘れていたことに気づき、わざわざ教室まで取りに来た。
靴箱に戻るため近道をしようと体育館前を突っ切ろうとすると、明日の球技大会のために今日は部活動は停止されているというのに中から物音が聞こえてきて足を止める。
不思議に思って中を覗くと、制服姿の糸瀬がシュート練習をしていた。
その足元には大量のボールが転がっていて、何本も練習をしていたことがわかる。
そっとその場を後にしようとするが、体育館の扉に足をぶつけてしまいガンッと音が鳴る。
しまったと思った時にはもう遅く、糸瀬が弾かれるようにして振り返ってきた。
切れ長の綺麗な瞳と目が合い、思わずその場から動けなくなる。
「おまえ、大丈夫か?また変な妄想でもしてたのか?」
「おま…っ、今いいところだったんだぞ!」
「はー…。零って、実は馬鹿だよな。周りからいつもちやほやされていい気になってるけど、糸瀬さんに“あんたのことなんて絶対に好きにならないから”って言われちゃったんだろ?」
「…いいんだよ。今はまだ、ってことだろ。絶対糸瀬に好きって言わせるんだから!」
光輝は呆れたようにため息をついていた。
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「ちっ、ついてねぇな」
光輝とわかれてから体操着を持って帰ってくるのを忘れていたことに気づき、わざわざ教室まで取りに来た。
靴箱に戻るため近道をしようと体育館前を突っ切ろうとすると、明日の球技大会のために今日は部活動は停止されているというのに中から物音が聞こえてきて足を止める。
不思議に思って中を覗くと、制服姿の糸瀬がシュート練習をしていた。
その足元には大量のボールが転がっていて、何本も練習をしていたことがわかる。
そっとその場を後にしようとするが、体育館の扉に足をぶつけてしまいガンッと音が鳴る。
しまったと思った時にはもう遅く、糸瀬が弾かれるようにして振り返ってきた。
切れ長の綺麗な瞳と目が合い、思わずその場から動けなくなる。

