「好き」って言って

顔に出てしまっていたのか、心の内を当てら思わず吹き出してしまう。

きっと、私を慰めてくれたんだ。

黒瀬と話したことは今までなかったけど、優しい人なんだな。

黒瀬はなぜかさっきよりも驚いたように目を見開いていた。


「…なに?」

「え、あ、いやなんでも。てか俺ら、同じクラスなのに今初めて話したよな。これも何かの縁ということで、駅まで傘入れてくんね?」

「図々しい。…まあ、傘持ってきてくれたし、そのお礼ってことで。貸し借りは嫌いだから」

「おーさんきゅ」


にっと笑った黒瀬がポンポンと優しく頭を撫でてきて、不覚にもどきりとしてしまう。