「え?あーたしかに、綾乃ならダンクもできちゃいそうだよね」
うんうんと夏芽が頷きながら同意してくれて、ふんっと鼻で笑いながら黒瀬を見返す。
黒瀬はムッとしたように口を尖らせると、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
人気者の黒瀬と初めて話したのは、六月頃。
それから何かと突っかかってくるようになり、事あるごとに勝負をするのが私たちの日常となっていた。
「糸瀬、今度の球技大会、どっちの方が多く点数を入れられるか勝負しようぜ」
夏芽と向かい合って教室でお弁当を食べていると、購買に行ってきたのか袋を腕にぶら下げた黒瀬が近づいてくるとそんなことを言ってきた。
なんでもスポーツができるのにあえて私と同じバスケを選択したのは、最初からそのつもりだったのだろう。
「別にいいけど、どうせ私が勝つよ。黒瀬は無駄な動きが多すぎるから」
「はっ、言ってるがいい。負けた方は勝ったやつの言うことをなんでも一つ聞く、っていうのでどうだ」
あの黒瀬になんでも言うことを聞いてもらえる…?
「…いいよ。何を言おうか今から考えておかないと」
「こっちのセリフだ。あ、俺が勝ったらおまえに告白する機会をやろうか?」
うんうんと夏芽が頷きながら同意してくれて、ふんっと鼻で笑いながら黒瀬を見返す。
黒瀬はムッとしたように口を尖らせると、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
人気者の黒瀬と初めて話したのは、六月頃。
それから何かと突っかかってくるようになり、事あるごとに勝負をするのが私たちの日常となっていた。
「糸瀬、今度の球技大会、どっちの方が多く点数を入れられるか勝負しようぜ」
夏芽と向かい合って教室でお弁当を食べていると、購買に行ってきたのか袋を腕にぶら下げた黒瀬が近づいてくるとそんなことを言ってきた。
なんでもスポーツができるのにあえて私と同じバスケを選択したのは、最初からそのつもりだったのだろう。
「別にいいけど、どうせ私が勝つよ。黒瀬は無駄な動きが多すぎるから」
「はっ、言ってるがいい。負けた方は勝ったやつの言うことをなんでも一つ聞く、っていうのでどうだ」
あの黒瀬になんでも言うことを聞いてもらえる…?
「…いいよ。何を言おうか今から考えておかないと」
「こっちのセリフだ。あ、俺が勝ったらおまえに告白する機会をやろうか?」

