「好き」って言って

また彼が目立ったことをしたのだ。


「かっこいい！軽々とダンクを決めちゃうなんて、さすが黒瀬くん！」

「本当、存在するだけで尊い…」


ほぼクラスメイトの女子たち全員がメロメロになって黒瀬を見ている。


「零ー！俺を抱いてくれー！」

「きめぇこと言うな！こんくらいできて当たり前なんだよ！」


抱きつこうとする友達の佐原(さはら)に、黒瀬は笑いながら片手で制していた。

その笑顔にも女子たちはうっとりとため息を漏らしている。


黒瀬零。サラサラの黒髪に笑うと八重歯が覗いて子どもっぽいやんちゃさが魅力の一つでもある。

俺様な性格で、常にみんなの中心にいて運動が得意。

元カノは美人なモデルだという噂もあり、今は彼女がいない様子だけどそれはそれはモテている。


ふと、黒瀬と目が合い、ふふんとドヤ顔をされた。

どうやら私のスリーポイントシュートを見ていたのか、それに対抗してダンクを決めたのだと理解する。


「あんなの大したことないね。身長が高ければ私だってきっとできると思う」