あれやこれやと話が進み、私は響お兄ちゃんの住む家に一緒に住まわせてもらうことになった。不動産屋さんに説明したら、ちょうどよかったですね、当分物件は見つからなさそうだから見つかるまでそのままそこに住めばいいとあっさり言われてしまった。ええ、そんなんでいいんだ……?
そんなこんなで翌日。前の家から荷物を運び、私の部屋にしていいと言われた部屋に置いて一息つく。家電類はお兄ちゃんの家に既にあるので、とりあえず売り払うことにした。元々自分の家具は少なかったので、この部屋になんとか収まって一安心だ。
「楓、入ってもいいか?」
「あ、はい」
コンコンというノックの音と共に、お兄ちゃんの声がする。返事をすると、お兄ちゃんが部屋に入ってきた。
「お、だいぶ片付いたな。部屋らしくなってきたじゃん」
「ありがとう。お兄ちゃんにも色々と手伝ってもらっちゃった」
「俺が手伝うのは当たり前だろ。気にすんなよ」
そう言って、お兄ちゃんは私の頭にぽん、と手を優しく置く。ああ、お兄ちゃんの手だ、懐かしい。あれから何年も経つのに、暖かくて大きな手は何も変わってないんだ。
「あ、そうだ、一緒に住むんだし、家事は私もやるから。今日のご飯は私が作るよ。さっき食材も買ってきたんだ」
「えっ、楓料理できるの?」
「なっ、なんでそんな意外そうな顔するの!私だって料理くらいできるよ!これでも今まで立派に一人暮らししてきたんだから」
私が思わずむくれてそう言うと、お兄ちゃんはははは、と楽しそうに笑う。
「ごめんごめん。一緒に住んでた時は楓のお母さんが作ってただろ?手伝えって言われて手伝っても楓はいつも失敗してたからそのイメージが強くて……でもそっか、楓が作ってくれるなら楽しみだな」
フフッと嬉しそうに笑うお兄ちゃんはそう言って私の頭をぐしゃぐしゃと強引に撫でると、自分の部屋へ戻っていった。くっそぉ、なんてことない世間話とはいえ、なんだか悔しい。こうなったら、お兄ちゃんに美味しいって言わせてやるんだから!
そんなこんなで翌日。前の家から荷物を運び、私の部屋にしていいと言われた部屋に置いて一息つく。家電類はお兄ちゃんの家に既にあるので、とりあえず売り払うことにした。元々自分の家具は少なかったので、この部屋になんとか収まって一安心だ。
「楓、入ってもいいか?」
「あ、はい」
コンコンというノックの音と共に、お兄ちゃんの声がする。返事をすると、お兄ちゃんが部屋に入ってきた。
「お、だいぶ片付いたな。部屋らしくなってきたじゃん」
「ありがとう。お兄ちゃんにも色々と手伝ってもらっちゃった」
「俺が手伝うのは当たり前だろ。気にすんなよ」
そう言って、お兄ちゃんは私の頭にぽん、と手を優しく置く。ああ、お兄ちゃんの手だ、懐かしい。あれから何年も経つのに、暖かくて大きな手は何も変わってないんだ。
「あ、そうだ、一緒に住むんだし、家事は私もやるから。今日のご飯は私が作るよ。さっき食材も買ってきたんだ」
「えっ、楓料理できるの?」
「なっ、なんでそんな意外そうな顔するの!私だって料理くらいできるよ!これでも今まで立派に一人暮らししてきたんだから」
私が思わずむくれてそう言うと、お兄ちゃんはははは、と楽しそうに笑う。
「ごめんごめん。一緒に住んでた時は楓のお母さんが作ってただろ?手伝えって言われて手伝っても楓はいつも失敗してたからそのイメージが強くて……でもそっか、楓が作ってくれるなら楽しみだな」
フフッと嬉しそうに笑うお兄ちゃんはそう言って私の頭をぐしゃぐしゃと強引に撫でると、自分の部屋へ戻っていった。くっそぉ、なんてことない世間話とはいえ、なんだか悔しい。こうなったら、お兄ちゃんに美味しいって言わせてやるんだから!



