「怜くん!!」 ぶつかったのは、怜くんだった。 気を付けなさい、と微笑む怜くん。 いつもの笑顔だ…。 「…!」 怜くんの笑顔に安心し、すっかり気のゆるんだ私は、声を殺しながら怜くんに泣き付いた。 「春乃?」 最初はびっくりしたようだが、怜くんは何も聞かずに私の手をとった。 「お家に帰ろう?」 怜くんの暖かい手と笑顔に、心が救われた。 「うん。」 私たちは、手をつないだまま、夕日の映える坂道を下る。 お家に帰ろう。 怜くんと、一緒に。