「ここで合ってるかな……?」
学校からノンストップで走ってきて十五分で現地に到着した。
すっごく大きいけど本当にここ?
思っていたよりも何倍も大きい建物にびっくりして本当にここなのかと何回も地図を見返したくらい。
「深海さん!」
ん?今誰か私の事呼んだ……?
どこから入るのかがわからなくてうろうろしていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
声のした方を見るとバッチリメイクをしている綺麗な顔をした不知火さんがこちらに走ってきている所だった。
「不知火さん!あの、これで良かったですか?」
走ってきた不知火さんにブレスレットを見せて確認してもらう。
「合ってる。ありがとう。なくて困ってたから本当にありがとう」
さっきの電話ではすごく焦っていたみたいだけど今はふわりと花が咲いたみたいに笑っている。
なんだか、女の子達が不知火さんといたいって思う気持ちがわかるかもしれない……。
あまり笑う方じゃないと思うしこうやってたまに笑った時にドキッとくる人が多いんだろうなと本人を見て実感した。
「良かったです。もしかしてお守りとかなんじゃないかなって安西先生と話してて」
「なんて言うかな。お守りというか……まぁ、お守りみたいなものかな?」
「やっぱりそうなんですねっ」
わざわざ男物じゃなくて女物のブレスレットをつけていたんだから多分お守りだったんだと思う。
私はすぐに不知火さんにブレスレットを手渡した。
–––パシャッ
えっ……?今シャッター音した?
ブレスレットを手渡した時、どこからか微かにシャッター音がしたような気がした。
周りを見ても誰もいなくてすぐに不知火さんの方に顔を戻す。
気のせいかな……?
不知火さんを見てもずっとブレスレットを眺めていたから多分気のせいかな。
そう思う事にしてブレスレットを眺める不知火さんを見ていると甲高く不知火さんを呼ぶ声が聞こえてきた。
誰だろう……?
撮影スタジオからふりふりのピンクいワンピースを風に靡かせながら走ってきた女の人。
目がクリクリでぱっちりした二重。
スッと通った鼻筋に華奢な体つき。
この人、すごく可愛いっ!
不知火さんの隣に立った女の人は不知火さんに負けず劣らずの美貌で横に並んでもすごく似合っていた。
多分この女の人も不知火さんと同じモデルさんなんだろうなぁ。
「依桜何してるの!今から撮影だって言われてたでしょ!なんでスタジオ入りしないのよ!もうみんな待ってるのよ!」
「わ、悪かったって……」
「わかったならさっさと戻って!」
「わかったわかった。じゃあありがとね深海さん」
「は、はい」
女の人の勢いに押されてなかば引っ張られながら不知火さんと女の人は建物の中に入って行った。
だ、大丈夫だったのかな?
若干心配に思いつつもちゃんとブレスレットを渡せたから良しとしようと思う事にする。
でもなんだかあの二人仲良さそうだったなー。
……なんか心がモヤモヤしてる気がするけど……。
ゆっくりと足を動かしながらさっきの事を思い出す。
あんなに仲良さそうに話してる不知火さんを初めて見たし、いつもは丁寧に喋るのにさっきは仲のいい人と話している感じだった。
私はただメイクをするだけ。ただそれだけだけど、ちょっとだけ自分は特別な人なんじゃないかなんて無意識に思ってたのかな……。
不知火さんは色んな人と付き合ってるんだし私なんて眼中にもないはずなのに。
モヤモヤする気持ちがなぜが心の中に居座っていて心が晴れない。
「どうしちゃったんだろう。私……」
今までにない気持ちが芽生えてどうしたらいいかわからないまま、雲一つない空を眺めつつ学校に戻った。
学校からノンストップで走ってきて十五分で現地に到着した。
すっごく大きいけど本当にここ?
思っていたよりも何倍も大きい建物にびっくりして本当にここなのかと何回も地図を見返したくらい。
「深海さん!」
ん?今誰か私の事呼んだ……?
どこから入るのかがわからなくてうろうろしていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
声のした方を見るとバッチリメイクをしている綺麗な顔をした不知火さんがこちらに走ってきている所だった。
「不知火さん!あの、これで良かったですか?」
走ってきた不知火さんにブレスレットを見せて確認してもらう。
「合ってる。ありがとう。なくて困ってたから本当にありがとう」
さっきの電話ではすごく焦っていたみたいだけど今はふわりと花が咲いたみたいに笑っている。
なんだか、女の子達が不知火さんといたいって思う気持ちがわかるかもしれない……。
あまり笑う方じゃないと思うしこうやってたまに笑った時にドキッとくる人が多いんだろうなと本人を見て実感した。
「良かったです。もしかしてお守りとかなんじゃないかなって安西先生と話してて」
「なんて言うかな。お守りというか……まぁ、お守りみたいなものかな?」
「やっぱりそうなんですねっ」
わざわざ男物じゃなくて女物のブレスレットをつけていたんだから多分お守りだったんだと思う。
私はすぐに不知火さんにブレスレットを手渡した。
–––パシャッ
えっ……?今シャッター音した?
ブレスレットを手渡した時、どこからか微かにシャッター音がしたような気がした。
周りを見ても誰もいなくてすぐに不知火さんの方に顔を戻す。
気のせいかな……?
不知火さんを見てもずっとブレスレットを眺めていたから多分気のせいかな。
そう思う事にしてブレスレットを眺める不知火さんを見ていると甲高く不知火さんを呼ぶ声が聞こえてきた。
誰だろう……?
撮影スタジオからふりふりのピンクいワンピースを風に靡かせながら走ってきた女の人。
目がクリクリでぱっちりした二重。
スッと通った鼻筋に華奢な体つき。
この人、すごく可愛いっ!
不知火さんの隣に立った女の人は不知火さんに負けず劣らずの美貌で横に並んでもすごく似合っていた。
多分この女の人も不知火さんと同じモデルさんなんだろうなぁ。
「依桜何してるの!今から撮影だって言われてたでしょ!なんでスタジオ入りしないのよ!もうみんな待ってるのよ!」
「わ、悪かったって……」
「わかったならさっさと戻って!」
「わかったわかった。じゃあありがとね深海さん」
「は、はい」
女の人の勢いに押されてなかば引っ張られながら不知火さんと女の人は建物の中に入って行った。
だ、大丈夫だったのかな?
若干心配に思いつつもちゃんとブレスレットを渡せたから良しとしようと思う事にする。
でもなんだかあの二人仲良さそうだったなー。
……なんか心がモヤモヤしてる気がするけど……。
ゆっくりと足を動かしながらさっきの事を思い出す。
あんなに仲良さそうに話してる不知火さんを初めて見たし、いつもは丁寧に喋るのにさっきは仲のいい人と話している感じだった。
私はただメイクをするだけ。ただそれだけだけど、ちょっとだけ自分は特別な人なんじゃないかなんて無意識に思ってたのかな……。
不知火さんは色んな人と付き合ってるんだし私なんて眼中にもないはずなのに。
モヤモヤする気持ちがなぜが心の中に居座っていて心が晴れない。
「どうしちゃったんだろう。私……」
今までにない気持ちが芽生えてどうしたらいいかわからないまま、雲一つない空を眺めつつ学校に戻った。



