「本当、依桜さんはなんでも急ですね」


「そう?」


「そうですよ!告白だって絶対今じゃないです!重々しく家庭の事情を話して泣いた後に告白なんてロマンのカケラもありません!」


キ、キスだって、いつも急なんだから……。


そう思ってまた恥ずかしくなり赤くなりそうな顔をなんとか冷まそうと頑張る。


「別にいいじゃん。杏奈に告白できた事自体がロマンでしょ?」


さぞ当たり前の事のように言われた言葉に私はドキッとした。


やっぱり依桜さんは反則だっ。


そう思ったけど、今は恥ずかしさで顔を覚ます事よりもこの時間が一生の宝物になるような時間にする事に集中した。


今まで、辛い事だっていっぱいあったし、これからもきっとあると思う。


それでも私は依桜さんがいてくれたら頑張れるような、そんな気がした。


お母さん、お父さん。私、今日"彼氏"ができました!