そう思って保健室に着いたらまず体操服に着替えてもらった。


「ありがとね、さっきは助けてくれて」


落ち着いたのかベッドに座った依桜さん。


「いえ。それより、さっきはどうしてあんな濡れてたんですか?」


「それは普通に歩いていたんだけど体育館前にある花壇の水やりをしていた人達の水がかかっちゃって……」


あはは……と苦笑いしながらポリポリと依桜さんは頬をかいた。


そんな漫画みたいな事あるんだ……。


どんな水やりをしたらあんなにも濡れてしまうのかなと思ったけど一旦その考えは捨てる。


「そうだったんですね……」


「びっくりしたよ。気付いたら水がかかってるんだから」


依桜さんって案外おっちょこちょいなのかな?


完璧なイメージのある依桜さんだったけど、少し違うのかもしれない。


なんだか微笑ましくて笑顔が溢れそうになった時思い出した。


依桜さんの体にアザがあった事を。


聞いていいのかな……?私だったら聞かれたくないかも。「なんで体にそんなアザがあるの」って。


嫌がる事を無理やり聞くのはよくないと思い聞かないようにしようと思う事にした。