依桜さんに貰ったパレットを眺めているとあっと声を上げた依桜さん。


「ねぇちょっとこっち向いて」


「えっ……?」



–––パシャッ


「ナイスベストショット」


言われた通りに依桜さんのいる右側を向くとなぜかカメラを構えていて写真を撮られてしまった。


「ちょっと!何してるんですかー!」


絶対今の顔やばかったのに……不意打ちはずるいっ


「ごめんごめん。でもいい顔してたよ?」


「絶対嘘ですよねそれ!」


絶対半目とかだったよ……。


「これ保健の先生に見せてもいい?頼まれてたし」


「絶対ダメです」


さすがにそれはダメなので私は即否定した。


写真が欲しいとは言われたけど、さすがにダメ。


「じゃあちゃんと撮ろうよ」


「えっ?」


そう言って私の近くに来てスマホを横に向け自撮りをした依桜さん。


私はなんとか笑顔でピースを作ったけど、イケメンな人の隣に並んだら私はどうなってしまうのかと考えてしまい「写真見る?」と言われたけど断っておいた。


依桜さんは何もかもが急なんだよね……ちゃんと言ってくれたら私だってもっとちゃんとできるのに……。


あの時のキスだって……。


そう言ってその時の事を思い出すと急に頭に映像が流れてきて私は慌てて首を振ってあの時の事を飛ばした。


いけないいけないっ……また思い出してしまった……。


最近わかった事なのだが私は恥ずかしい事があったらすぐに顔が赤くなるらしい。


また顔が熱を浴び始めているのがわかりどうにかして冷まそうとする。


「あれ?なんか顔赤くない?」


「き、気のせいですっ!」


やっぱり依桜さん反則ですっ!