コスメ屋さんを見てからは姫華さんが行きたい所があると言っていたのでそのまま着いて行く事にした。
階段を何階上がったのかわからない程になってきた頃、ようやく目的地に着いたのか扉を開いた姫華さん。
扉を開けた瞬間、ビュンッと強い風が吹き荒れた。
屋上……?
「あの、ここって屋上ですか?」
「そうそう!一回来てみたかったんだよねー」
屋上といっても学校の屋上みたいな感じではなく建物の一番上って感じのところ。
ベンチが一つ置かれているだけでその他には何もない殺風景な場所だった。
「空気が気持ちいね!」
ドアから柵まで走って行き、柵に手を置いて思いっきり深呼吸をした姫華さん。
私も真似をして柵まで行って深呼吸をした。
依桜さんはベンチにドカッ座り込んでしまったけど。
確かに気持ちいい風っ!
下を向くと買い物を終えた家族がちょうど車に荷物を積んでいるのが目に入った。
「いいなー……」
楽しそうに笑いながらお母さんらしき人と話す女の子の笑顔を見て私は羨ましいと思った。
まぁ私にはもう望んでも叶わない事だから羨ましがらない!
そう決めているから私は無理やりその家族から目を逸らした。
すると突然静かだった屋上に電話のコールが響く。
「あっ私だ!ちょっとごめんね」
ポケットからスマホを取り出し屋上の出口に向かいながら姫華さんは通話を始めた。
もしかして仕事の電話かな?
そう思いながら空を眺めているとすぐに姫華さんは戻って来た。
「ごめんっ私今日撮影入ってたらしくって今すぐ行かなきゃなの!ほんとごめんっ」
「そうなんですね!撮影頑張ってくださいっ!」
「うんっありがとうっほんとごめんね」
相当急いでいたのかバタバタとしながら屋上のドアをバンッと閉めた姫華さん。
それに私は少しクスッと笑ってしまった。
姫華さんちょっとガサツなところもあるんだなぁ。
新たな一面を知れた気がしているとさっきまでベンチに座っていた依桜さんが私の隣に来ていた。
「これさ、ここの屋上に来る必要なかったよね。絶対学校の屋上でいいよね」
「確かにそうですねっ」
学校の屋上も別に立ち入り禁止にはなってないから入ろうと思えばいつでも入れる。
わざわざここに来るってのも姫華さんらしいけどっ
「あっ、そうだ杏奈、これあげる」
「何ですかこれ?」
突然依桜さんは私に紙袋を渡した。
何だろうこれ……?
「いいから中身見てみて」
なんだか少し楽しそうにしている依桜さんを不思議に思いながら紙袋の中身を覗き込んだ。
「……えっ?どうして、これを……?」
私は紙袋に入っていたものを取り出す。
なんと紙袋に入っていたのは私がさっきのコスメ屋さんで欲しいなと思っていたらアイシャドウパレットだった。
「なんかずっと欲しそうに見てたから欲しいのかなーと思って」
確かに欲しいなと思いながら見てたけど、顔に出してるつもりはなかったのにどうしてわかったんだろう……。
「ありがとうございますっ私、これすっごく欲しかったんです!」
お金がなくて断念したパレット。それが今、私の手元にある。
「よかった。俺コスメ?とかよく知らないから喜んでもらえて安心した」
そう言ってニコッと笑った依桜さんに私はドキッとした。
やっぱり依桜さんは反則なところが多すぎるよっ!
「本当に、ありがとうございますっ」
私は深々と頭を下げてお礼を言った。
「うん。喜んでもらえたなら良かった。いつもメイクしてくれてるし何かお返ししたいなと思ってたから」
そんな、別にお礼なんていいのに……。
依桜さんの優しさに触れると胸がギュッと苦しくなる時があるのは私のキャパオーバーなのかもしれない。
「本当に、ありがとうございますっ」
階段を何階上がったのかわからない程になってきた頃、ようやく目的地に着いたのか扉を開いた姫華さん。
扉を開けた瞬間、ビュンッと強い風が吹き荒れた。
屋上……?
「あの、ここって屋上ですか?」
「そうそう!一回来てみたかったんだよねー」
屋上といっても学校の屋上みたいな感じではなく建物の一番上って感じのところ。
ベンチが一つ置かれているだけでその他には何もない殺風景な場所だった。
「空気が気持ちいね!」
ドアから柵まで走って行き、柵に手を置いて思いっきり深呼吸をした姫華さん。
私も真似をして柵まで行って深呼吸をした。
依桜さんはベンチにドカッ座り込んでしまったけど。
確かに気持ちいい風っ!
下を向くと買い物を終えた家族がちょうど車に荷物を積んでいるのが目に入った。
「いいなー……」
楽しそうに笑いながらお母さんらしき人と話す女の子の笑顔を見て私は羨ましいと思った。
まぁ私にはもう望んでも叶わない事だから羨ましがらない!
そう決めているから私は無理やりその家族から目を逸らした。
すると突然静かだった屋上に電話のコールが響く。
「あっ私だ!ちょっとごめんね」
ポケットからスマホを取り出し屋上の出口に向かいながら姫華さんは通話を始めた。
もしかして仕事の電話かな?
そう思いながら空を眺めているとすぐに姫華さんは戻って来た。
「ごめんっ私今日撮影入ってたらしくって今すぐ行かなきゃなの!ほんとごめんっ」
「そうなんですね!撮影頑張ってくださいっ!」
「うんっありがとうっほんとごめんね」
相当急いでいたのかバタバタとしながら屋上のドアをバンッと閉めた姫華さん。
それに私は少しクスッと笑ってしまった。
姫華さんちょっとガサツなところもあるんだなぁ。
新たな一面を知れた気がしているとさっきまでベンチに座っていた依桜さんが私の隣に来ていた。
「これさ、ここの屋上に来る必要なかったよね。絶対学校の屋上でいいよね」
「確かにそうですねっ」
学校の屋上も別に立ち入り禁止にはなってないから入ろうと思えばいつでも入れる。
わざわざここに来るってのも姫華さんらしいけどっ
「あっ、そうだ杏奈、これあげる」
「何ですかこれ?」
突然依桜さんは私に紙袋を渡した。
何だろうこれ……?
「いいから中身見てみて」
なんだか少し楽しそうにしている依桜さんを不思議に思いながら紙袋の中身を覗き込んだ。
「……えっ?どうして、これを……?」
私は紙袋に入っていたものを取り出す。
なんと紙袋に入っていたのは私がさっきのコスメ屋さんで欲しいなと思っていたらアイシャドウパレットだった。
「なんかずっと欲しそうに見てたから欲しいのかなーと思って」
確かに欲しいなと思いながら見てたけど、顔に出してるつもりはなかったのにどうしてわかったんだろう……。
「ありがとうございますっ私、これすっごく欲しかったんです!」
お金がなくて断念したパレット。それが今、私の手元にある。
「よかった。俺コスメ?とかよく知らないから喜んでもらえて安心した」
そう言ってニコッと笑った依桜さんに私はドキッとした。
やっぱり依桜さんは反則なところが多すぎるよっ!
「本当に、ありがとうございますっ」
私は深々と頭を下げてお礼を言った。
「うん。喜んでもらえたなら良かった。いつもメイクしてくれてるし何かお返ししたいなと思ってたから」
そんな、別にお礼なんていいのに……。
依桜さんの優しさに触れると胸がギュッと苦しくなる時があるのは私のキャパオーバーなのかもしれない。
「本当に、ありがとうございますっ」



