どこかのお店に行くのかなと思っているとなぜか教室に入って行ったので私もその後に続いた。
「ここの教室、俺のクラスなんだけどここからだとよく見えるんだよ」
「よく見える?」
「そう」
何がよく見えるんだろう……?
答えを焦らす依桜さんだけど、それよりも席について左肘を机についているその態勢が絵になりすぎて目が釘付けになってしまっていた。
やっぱりこうやって見るとすごく綺麗な顔をしているなぁ……。
メイクをする時に顔を近くで見るから綺麗なのはわかっていたけど改めてこうやって遠目で見るとやっぱり整った顔をしている。
「どうかした?それより座りなよ」
「は、はいっ」
依桜さんは教室のドアから少し離れた窓側の席に座っていたので小走り気味に依桜さんが座った隣の席に座る。
「あの、それでどうしてここに来たんですか?」
「それはね……」
そう言って不敵に笑った後、パチンッと指を鳴らした依桜さん。
その瞬間ドーンッという心臓に響くような物凄く大きな音がした。
次第に依桜さんの後ろが真っ黒だったのに明るくカラフルな光が一面を埋め尽くした。
すごい……これは花火だっ!
さっき依桜さんが時間を確認していたのもここに連れて来てくれたのもきっと花火を見せてくれようとしたからだよね。
ドンドンドンッと外で音がする中、依桜さんは静かに笑っていた。
「綺麗でしょ?ここから見る花火が多分一番綺麗だと思うよ」
「そうなんですか⁉︎嬉しいですっこんないい場所で花火が見られてっ」
花火なんていつぶりだろう……。小さい時にお母さんとお父さんと見に行ったのが最後かな?
昔の記憶を思い出し、懐かしい気持ちに浸っていると依桜さんが口を開いた。
「この花火は杏奈と見たかったんだ」
「そ、そうなんですか!嬉しいで……」
嬉しいです!と言おうと思った時、私の言葉は喉元で止まった。
柔らかいものが唇に触れて私の言葉を遮ったから。
えっ……。
びっくりして目を見開くと目の前には綺麗な顔をした依桜さんの顔があったのだ。
メイクをする時よりも全然近くて、近すぎて状況を理解するのに時間がかかった。
私、依桜さんと"キス"した……?
「あの、依桜、さん……?」
キスをしていたのは一瞬ですぐにまた椅子に座った依桜さん。
「知ってた?この花火は好きな人と見たら結ばれるっていうジンクスがあるんだって」
そう言って依桜さんはふわっと笑った。
「それって、どういう……」
「じゃあそういう事だから。またね」
先程の保健室での表情とは打って変わって一人だけ楽しそうにしながら教室を出て行ってしまった。
本当に、どういう事なの……⁉︎
状況もよくわからないし依桜さんの言葉の意味もわからない。けど、一つだけ確かなことがあった。
なぜか頭の中はドキッドキッと早く心臓が脈打っている。
耳まで熱くなるのを感じながら顔に両手を添える。
「私、もしかして依桜さんの事"好き"なのかな……?」
そう口に出してみてなぜか妙にしっくりきてしまった。
そうわかってしまえば自覚するのには時間はかからなかった。
ふわっと笑う依桜さんの顔が一気に頭に流れてきて、顔の熱さがますます勢いを増していく。
「これは恋、確定かも……っ」
私は、はぁとため息をこぼしながら机におでこをつけるようにしてヘナヘナと座り込んだ。
「ここの教室、俺のクラスなんだけどここからだとよく見えるんだよ」
「よく見える?」
「そう」
何がよく見えるんだろう……?
答えを焦らす依桜さんだけど、それよりも席について左肘を机についているその態勢が絵になりすぎて目が釘付けになってしまっていた。
やっぱりこうやって見るとすごく綺麗な顔をしているなぁ……。
メイクをする時に顔を近くで見るから綺麗なのはわかっていたけど改めてこうやって遠目で見るとやっぱり整った顔をしている。
「どうかした?それより座りなよ」
「は、はいっ」
依桜さんは教室のドアから少し離れた窓側の席に座っていたので小走り気味に依桜さんが座った隣の席に座る。
「あの、それでどうしてここに来たんですか?」
「それはね……」
そう言って不敵に笑った後、パチンッと指を鳴らした依桜さん。
その瞬間ドーンッという心臓に響くような物凄く大きな音がした。
次第に依桜さんの後ろが真っ黒だったのに明るくカラフルな光が一面を埋め尽くした。
すごい……これは花火だっ!
さっき依桜さんが時間を確認していたのもここに連れて来てくれたのもきっと花火を見せてくれようとしたからだよね。
ドンドンドンッと外で音がする中、依桜さんは静かに笑っていた。
「綺麗でしょ?ここから見る花火が多分一番綺麗だと思うよ」
「そうなんですか⁉︎嬉しいですっこんないい場所で花火が見られてっ」
花火なんていつぶりだろう……。小さい時にお母さんとお父さんと見に行ったのが最後かな?
昔の記憶を思い出し、懐かしい気持ちに浸っていると依桜さんが口を開いた。
「この花火は杏奈と見たかったんだ」
「そ、そうなんですか!嬉しいで……」
嬉しいです!と言おうと思った時、私の言葉は喉元で止まった。
柔らかいものが唇に触れて私の言葉を遮ったから。
えっ……。
びっくりして目を見開くと目の前には綺麗な顔をした依桜さんの顔があったのだ。
メイクをする時よりも全然近くて、近すぎて状況を理解するのに時間がかかった。
私、依桜さんと"キス"した……?
「あの、依桜、さん……?」
キスをしていたのは一瞬ですぐにまた椅子に座った依桜さん。
「知ってた?この花火は好きな人と見たら結ばれるっていうジンクスがあるんだって」
そう言って依桜さんはふわっと笑った。
「それって、どういう……」
「じゃあそういう事だから。またね」
先程の保健室での表情とは打って変わって一人だけ楽しそうにしながら教室を出て行ってしまった。
本当に、どういう事なの……⁉︎
状況もよくわからないし依桜さんの言葉の意味もわからない。けど、一つだけ確かなことがあった。
なぜか頭の中はドキッドキッと早く心臓が脈打っている。
耳まで熱くなるのを感じながら顔に両手を添える。
「私、もしかして依桜さんの事"好き"なのかな……?」
そう口に出してみてなぜか妙にしっくりきてしまった。
そうわかってしまえば自覚するのには時間はかからなかった。
ふわっと笑う依桜さんの顔が一気に頭に流れてきて、顔の熱さがますます勢いを増していく。
「これは恋、確定かも……っ」
私は、はぁとため息をこぼしながら机におでこをつけるようにしてヘナヘナと座り込んだ。



