「ここで合ってるかな……?」
空き教室でぼーっとしているとそろそろ時間になったので、体育館の舞台裏に行く。
結構早めに来たつもりでいたのに、もう何人かの人が舞台裏に来ていてメイクなどの最終チェックをしているところだった。
まだ姫華さんは来てないか……。
辺りを見渡してもまだ姫華さんはいなかったので、私は無造作に置かれていたパイプ椅子に座った。
みんなすごく可愛いなぁ。
あの子のメイクすごく可愛いっ!などと思っているといつの間にかコンテストが始まる十分前になっていた。
もう十分前⁉︎まだ姫華さん来てないのに……。
ジリジリと時間が迫って来ているのに一向に姫華さんが来る気配はなかった。
幸い私が出るのは五ステージ目だから時間はまだあるけど……。
今回のコンテストは全部で五ステージ。出る人が多くてステージを五つにわけたらしい。
だからもう少し時間はあるよね!
そう思ってもう一度パイプ椅子に身を預けようとした時、まるで叫んでいるかのような大きな声を出す女の人を見つけた。
「ちょっと、どういう事なのよ⁉︎急に風邪ひいた?何ふざけた事言ってるのよ!それじゃ私はメイクができないじゃない!」
誰かと喧嘩してるのかな……?
椅子から見える範囲で見てみると女の人が電話をしながら怒っているのが見えた。
なんでそんなに怒ってるんだろう……?
そう思って私は耳を澄ましてみる。
それで得た話によると、メイクをする子が風邪を引いちゃって来れなくなっちゃったとか。それで女の子に頼んでいたメイクができなくなってしまったらしい。
少し気になってその人の事を見ていると何かキラリと光るものが女の人の顔からこぼれ落ちた。
もしかして、泣いてる……?
「あの、大丈夫ですか……?」
放っておく事もできたのだけれどやっぱりここは楽しむ場だから。
私は気がつくと声をかけていた。
「別に困ってる事なんて……ってあんた深海杏奈……⁉︎」
「は、はい。そうですけど……あっ」
この人……あの愛莉さんだ!
さっきは後ろ姿しか見えなかったからわからなかったけどこの人は私をいじめていた犯人の人だった。
「なんであんたがここにいるのよ」
「私もこのコンテストに出るんです」
「あんたが?」
はっと鼻で笑いながら涙を拭った愛莉さん。
「はい。けど、今はそんな事より困ってる事があるんじゃないんですか?」
「あんたには関係ないでしょ」
私に頼るのが嫌って事なのかな……?でも放ってはおけないよ。
「お待たせしましたー!これから皆様がお待ちかねのコンテスト"ある人を大変身⁉︎一番上手くプロデュースするのは誰だ⁉︎"を始めさせていただきますー!」
どうしようと悩んでいると司会の人の声が聞こえてきてとうとうコンテストが始まってしまった。
嘘でしょ⁉︎もう始まっちゃったの⁉︎
このままじゃ埒が開かないと思い私はさっき持って来ていたメイクポーチを女の人の前に持ってくる。
「あの、すみませんけど私が今からメイクしてもいいですか?というさせてください!」
「はぁ?何言っちゃってんの?私はもういいわよ出なくても」
「だめです!このコンテストは私の反撃なので!」
「反撃……?」
愛莉さんは何を言っているのかわかっていなさそうだったけど、私は構わず準備に動く。
私は無理やり愛莉さんをパイプ椅子に座らせてその正面に椅子を持って行き私も座った。
「メイク、してもいいですか?」
私はやる気満々だけどもし本人が本当に嫌なら私は止めないといけない。
「……よろしく、お願いします……」
なかば諦めたように呟いた愛莉さん。
「はいっ!」
やるからには全力でやらないと!
まだ姫華さんも来ていないし時間が許す限り絶対愛莉さんを可愛くしてみせる!
まず私はアイシャドウを手に取った。
愛莉さんは吊り目のだからかっこいい系のアイメイクがいいよね。
今回の愛莉さんの服装はモード系の黒で統一されたファッションだからメイクと統一しよう。
まずアイシャドウはグレー系の色を使って横にグラデを広げて切れ長を引き立たせる。
目尻側をやや濃くして立体感を出してっと。
次にアイラインはブラックを使って目尻はキュッと跳ね上げてシャープに。綺麗に描くとクールさが際立つ。
涙袋は控えめにして陰影重視。
まつ毛はつけまつ毛で束間を意識する。
輪郭は綺麗だし鼻筋も綺麗だからシェーディングはしないでおいて最後はリップ。
まずリップライナーで輪郭を軽く取ってリップを丁寧に塗ってっと。
仕上げにグロスを中央だけにのせたらツヤ感と立体感がでてふっくら見えるから可愛いポイント!
色はマットタイプのボルドーカラーでアイメイクと色味を似せたら完成!
空き教室でぼーっとしているとそろそろ時間になったので、体育館の舞台裏に行く。
結構早めに来たつもりでいたのに、もう何人かの人が舞台裏に来ていてメイクなどの最終チェックをしているところだった。
まだ姫華さんは来てないか……。
辺りを見渡してもまだ姫華さんはいなかったので、私は無造作に置かれていたパイプ椅子に座った。
みんなすごく可愛いなぁ。
あの子のメイクすごく可愛いっ!などと思っているといつの間にかコンテストが始まる十分前になっていた。
もう十分前⁉︎まだ姫華さん来てないのに……。
ジリジリと時間が迫って来ているのに一向に姫華さんが来る気配はなかった。
幸い私が出るのは五ステージ目だから時間はまだあるけど……。
今回のコンテストは全部で五ステージ。出る人が多くてステージを五つにわけたらしい。
だからもう少し時間はあるよね!
そう思ってもう一度パイプ椅子に身を預けようとした時、まるで叫んでいるかのような大きな声を出す女の人を見つけた。
「ちょっと、どういう事なのよ⁉︎急に風邪ひいた?何ふざけた事言ってるのよ!それじゃ私はメイクができないじゃない!」
誰かと喧嘩してるのかな……?
椅子から見える範囲で見てみると女の人が電話をしながら怒っているのが見えた。
なんでそんなに怒ってるんだろう……?
そう思って私は耳を澄ましてみる。
それで得た話によると、メイクをする子が風邪を引いちゃって来れなくなっちゃったとか。それで女の子に頼んでいたメイクができなくなってしまったらしい。
少し気になってその人の事を見ていると何かキラリと光るものが女の人の顔からこぼれ落ちた。
もしかして、泣いてる……?
「あの、大丈夫ですか……?」
放っておく事もできたのだけれどやっぱりここは楽しむ場だから。
私は気がつくと声をかけていた。
「別に困ってる事なんて……ってあんた深海杏奈……⁉︎」
「は、はい。そうですけど……あっ」
この人……あの愛莉さんだ!
さっきは後ろ姿しか見えなかったからわからなかったけどこの人は私をいじめていた犯人の人だった。
「なんであんたがここにいるのよ」
「私もこのコンテストに出るんです」
「あんたが?」
はっと鼻で笑いながら涙を拭った愛莉さん。
「はい。けど、今はそんな事より困ってる事があるんじゃないんですか?」
「あんたには関係ないでしょ」
私に頼るのが嫌って事なのかな……?でも放ってはおけないよ。
「お待たせしましたー!これから皆様がお待ちかねのコンテスト"ある人を大変身⁉︎一番上手くプロデュースするのは誰だ⁉︎"を始めさせていただきますー!」
どうしようと悩んでいると司会の人の声が聞こえてきてとうとうコンテストが始まってしまった。
嘘でしょ⁉︎もう始まっちゃったの⁉︎
このままじゃ埒が開かないと思い私はさっき持って来ていたメイクポーチを女の人の前に持ってくる。
「あの、すみませんけど私が今からメイクしてもいいですか?というさせてください!」
「はぁ?何言っちゃってんの?私はもういいわよ出なくても」
「だめです!このコンテストは私の反撃なので!」
「反撃……?」
愛莉さんは何を言っているのかわかっていなさそうだったけど、私は構わず準備に動く。
私は無理やり愛莉さんをパイプ椅子に座らせてその正面に椅子を持って行き私も座った。
「メイク、してもいいですか?」
私はやる気満々だけどもし本人が本当に嫌なら私は止めないといけない。
「……よろしく、お願いします……」
なかば諦めたように呟いた愛莉さん。
「はいっ!」
やるからには全力でやらないと!
まだ姫華さんも来ていないし時間が許す限り絶対愛莉さんを可愛くしてみせる!
まず私はアイシャドウを手に取った。
愛莉さんは吊り目のだからかっこいい系のアイメイクがいいよね。
今回の愛莉さんの服装はモード系の黒で統一されたファッションだからメイクと統一しよう。
まずアイシャドウはグレー系の色を使って横にグラデを広げて切れ長を引き立たせる。
目尻側をやや濃くして立体感を出してっと。
次にアイラインはブラックを使って目尻はキュッと跳ね上げてシャープに。綺麗に描くとクールさが際立つ。
涙袋は控えめにして陰影重視。
まつ毛はつけまつ毛で束間を意識する。
輪郭は綺麗だし鼻筋も綺麗だからシェーディングはしないでおいて最後はリップ。
まずリップライナーで輪郭を軽く取ってリップを丁寧に塗ってっと。
仕上げにグロスを中央だけにのせたらツヤ感と立体感がでてふっくら見えるから可愛いポイント!
色はマットタイプのボルドーカラーでアイメイクと色味を似せたら完成!



