走り疲れて足を止めるといつの間にか学校から結構離れたところまで走ってきていた。


「さ、さすがに疲れた……」


「そうだな」


電柱の下に立ち静かな辺りを見渡す。


なんとか校門が閉まる前に出れたけど全く運動をしない私にとっては結構体力を使ったよ……。


少しして、息を整えてから依桜さんの方を見る。するとなぜか顔を背けていた。


「どうしたんですか?そんな首を反対側に向けて?」


「て……」


「て?」


て?ての後はなんで言ったんだろう?聞こえなかったよ……。


珍しく声が小さい依桜さんの言葉を聞こうと背伸びをして近づく。


「手、いつまで繋いでんの……?」


そう聞こえて私はすぐ視線を落とす。


するといつからかずっと私は依桜さんの手を握っていた。


「わっ、ごめんなさいっ私ったらいつから……」


バッと思いっきり手を離し何度も謝る。


「全然大丈夫だよ」


「本当にごめんなさいっもうどうお詫びすればいいのやら……」


私は何をしてるのよ!


「あっそうだ。じゃあさそこのコンビニで何か奢ってくれない?それでチャラって事で」


何度も謝る私にそう言ってくれた。


「はいっ!もちろんです!それで許してくれるなら!」


優しいな。依桜さんは。


勢いよくペコペコしていた頭を上げてお礼を言うと依桜さんの顔が赤い事に気付いた。


気のせい、かな?


「じゃあ行こ」


「あっはい!」


まぁいっか!


気にはなったけどわざわざ言う必要もないかと思いそのままコンビニに向かって歩き出した。