姫華さんとクレープを食べに行った数日後。


クレープを食べている時はすごく楽しかったけど、次の日学校に行くとやはり上履きはなくてそれどころか私がトイレに行くと上から水をかけられたり外を歩いていると上からチョークの粉を落とされたり。


最近は嫌がらせを越えてもういじめという域にまでなってきていた。


でも誰がやってるのかはわからないんだよね……。


いつも顔を見ようと思ってもすぐにいなくなっていたりするし。


「どうすればいいのかな……」


正直お手上げ状態。


どうすればいいかわからず教室で一人唸っていると突然スマホの着信音が鳴った。


あれ……誰だろう?


不思議に思いながらポケットからスマホを出すと不知火と表示されていた。


不知火さん?どうしてまた電話を……?


そう思いながら電話にでる。


「はい、深海です」


「深海さんごめん。今から保健室に来れる?兼保健室の方じゃなくて普通の保健室に。また急に撮影が入っちゃって」


「普通の保健室に?……わかりました。今すぐ向かいます」


「悪い、助かる」


「いえいえ全然です」


それだけ言って私は電話を切った。


どうして兼保健室じゃなくて普通の保健室なんだろうと思ったけど、ちょうど今は授業にも出たくなかったしほんと、毎回不知火さんはタイミングがいいよね。


どれだけ嫌な事をされてもそれよりも嫌な事があったら別にどうでも良くなるのが私流。


こんないじめで私が逃げれているなら私はあんな"家"からだってすぐ出て行けているはずなんだけどな……。