恋の実る確率は

蜜は嘘を吐いた。陽良は蜜を不思議そうに見つめる。

「ジュース、飲みたいなら飲んだ方がよくない?」

「あっ……えっと……ジュース飲んだら太っちゃうかなって……」

緊張して声が上擦ってしまう。蜜は恥ずかしさを覚えながらスカートを握り締めた。せっかく陽良と話せているというのに、うまく話せない。それがもどかしい。

「ごめんなさい……。あまり上手に話せなくて……」

蜜が俯くと、陽良が「ううん。俺もちょっと緊張してるから」と優しい声で言う。顔を上げれば、陽良は笑っていた。そして言う。

「ジュース、一緒に飲もうよ。二人で飲んだらカロリーもどこか飛んじゃうよ」

「何それ」

蜜の口から笑い声が出る。陽良も笑った。

二人の顔が赤く染まっているのは、夕焼けのせいなのか。それともーーー。