恋の実る確率は

神様、お願い。その願いを何度高校生になってから心の中で唱えただろうか。数え切れないほど、女子高生は願ってきた。

夕陽が差し込む教室で、一人の女子生徒が自身の席に座ってため息を吐いていた。女子生徒の手には五百円玉が二枚ある。

「これで、この恋を諦めるかどうか決める……」

恋猫蜜(こいねこみつ)は重々しい空気で呟いた。その心の奥は、ズシンと重いものが乗っているかのように苦しい。恋を諦める、そう口にしただけで手が震えていく。しかし、こうするしか蜜にはもう選択が残されていないのだ。

窓の外から聞こえた歓声に、蜜の肩がビクリと跳ねる。反射的に窓の外を見てしまった。刹那、後悔と胸の高鳴りが押し寄せる。

「かっこいいな……」

蜜の視線は一人の男子生徒にあった。サッカーボールを蹴り、ゴールに向かってシュートする。さらに大きな歓声が上がる中、男子生徒は笑顔を浮かべて声を上げる女子生徒たちに手を振っている。その姿を見て、蜜の胸が痛みを発した。

(私も、もっと勇気があれば……)

蜜は恋をしている。サッカー部のエースである白石陽良(しらいしひろ)だ。