紺碧のアステリズム




「申し訳ございまセンっ…!」



肝試しの翌朝。応接室に通された私は、目の前の光景にギョッとした。



「ジェ、ジェームズさん!?」



伯父様に教わったのだろうか。ジェームズさんが土下座をしていたのだ。その後方ではラキアスは呆れ返った顔で、レナードさんは苦笑している。



「《んん? ジェームズ、変な格好だな。 何してるんだ?》」



私に続いて入ってきたアダム君は、初めて見る格好を不思議がって見ていた。



「お二人にお詫びがしたかったんです。」



ここまで連れてきた伯父まで深く頭を下げる。



「昨晩は大の大人が調子に乗ってしまい、申し訳ありませんでした。 昨晩のことをきちんと説明させてください。」



私の母にもひどく怒られてしまったんだと、伯父は苦々しく笑う。



「これから種明かしをしようと思います。」



肩を叩かれ、申し訳なさそうに身体を起こすジェームズ。伯父は部屋の窓もカーテンも全て閉めてしまった。部屋の中は、お昼前にも関わらず、分厚いカーテンのせいで薄っすら人が見えるくらいに暗くなった。



「あの、種明かしって…?」

「《では、見ていてくださいね?》」



ジェームズさんが、3、2、1と数を数え始める。そしてパチンと指を鳴らして手のひらを広げると、そこには昨晩見たものと同じ、小さな火の玉が現れた。



「えっ!? 何がどうなって……」

「《なーんだ。 やっぱり、魔導だったんだな。》」



アダム君はそれだけで事態を把握できたのだろう。つまらない表情を浮かべて、ふかふかの椅子にぼふんと飛び乗った。見渡すと、理解できていないのはどうやら私だけのようだ。



「これは“魔導”といってね。 桜ちゃんには、“気導”といった方がわかりやすいかな?」



その言葉に、私はパッと顔を上げた。

気導。

それは、私にとっては忌々しい、一族の後継者の証だ。