「《あ! 兄ちゃん達みーっけ!》」
「あ! あんなところに…。」
浮き世離れした見た目の2人を探すのは簡単だと思っていたのに、なかなか見つからず、何度も市を往復させられてしまった。
アダム君は走っていってラキアスに抱きつく。
「《どこにいたんだ? 探したんだぞ!》」
「《悪いな。》」
頭をぽんぽんと撫でるラキアス。もう片方の手にも何も持っていないところを見ると、先程の店では何も買わなかったのだろうか。
「《何見てる。 気持ち悪いな。》」
「あ。 また何か失礼な……」
あれ?
私は目を細める。
「《な、なんだよ…。》」
近づく私から距離をとるラキアスの目を覗き込む。外で見ているからだろうか。いつも見るラキアスの目の濃い青の色が、少しくすんでいるような…いつもと違う色に見えたのだ。
「さあ、皆さん。 次は神社へ行きましょうか。 神社というのは……」
伯父が寺と神社の違いについて説明し始めたのについて、私も歩き出す。
私達の国は、黒や、薄くても焦げた茶のような色をした瞳を持つものばかりなので、いつ見ても彼らの瞳は不思議でたまらない。光の角度によって輝きが変わるなんて、まるで本当に宝石のようだ。
「《桜ぁ、なんか、変なやつ見つけんだけど…。》」
一通り神社への詣り方を教え、実践した後は、各々が神社を好きに散策していた。裏の林に入っていたアダム君が、レナードさんの後ろで怯えながら帰ってきた。
「アダム君、どうしたの?」
瞳を潤ませ、駆け寄ってきたアダム君を抱き留める。
「《裏の林で、草で作った人形のようなものを見つけたのです。 なにやら釘で打ち付けられていて…。 何かの飾りでしょうか?》」
「《あぁ、それはおそらく丑の刻参りとやらでしょう。 いや、困りましたね。 神主さんに報告しなくては。》」
丑の刻参り、という言葉が聞こえて、私は慌てて伯父と距離をとる。
「わ、私は御神木を見て来ますね。」
私はどうしても、どうしても、呪いや物の怪といった、怖い話だけは駄目なのだ。
「《桜、急にどうしたんだ?》」
「《ははは…。 怖い話が苦手なようですね。 そうそう、怖いと言えば、この国には肝試しというものがあってですね。》」
「《なんだそれ! 面白そうな響きだな!》」

