歴代最強のオヒメサマ

逆光でどんな顔をしているかみえないけれど、その言葉は温かくて。

わたしも絆されるように頬がゆるむ。



「もっとお前と早く出逢いたかったよ。そうしたら、今よりもっと退屈しないな。翡翠はおてんばだから」
「……おてんばじゃない」
「じゃあ、第二の暴走機関車?」
「……それはやだ」


けらけらと軽やかに笑う理人に、もうこの人はここを去るのかと思うと寂しくなる。


「寂しがることは無いよ。また会えるから」
「……ん」
「じゃあな、翡翠」


それが別れの言葉のようで思わず引き止めてしまいそうになる。

けど、それはきっとわたしのわがままでしかないから。

言葉を飲み込んで、どうかこの感謝が伝わりますようにと微笑む。



「理人」
「うん?」
「……わたしも、理人と出会えてよかった」
「うん。知ってる」



ひらひらと手を振って去っていく背中は大きくて。

見えなくなるまでずっと見ていた。