歴代最強のオヒメサマ




どこかから聞こえる話し声に、うっすらと目を開けると、

「起きた?」

鼻が触れ合いそうなほどの至近距離に男の顔が飛び込んでくる。



寝癖の着いた柔らかな金髪に、焦げ茶の瞳。

路地裏で出会った男だった。



びっくりして思わず手でその顔を押しのけると、

「、無言で押しのけんな」

不満そうな顔でわたしを睨む。


「……近付くな変態」
「変態?変態って言うのは、」


ぴくりと眉を動かすと、わたしの手首を掴んであっという間にベッドに押し倒す。

「───こういうことをする奴でしょ?」
「っ、」

上に覆い被さる彼の焦げ茶の瞳の中にわたしが映り込む。
黒い髪が真っ白のベッドに広がって、黒目が僅かに動揺に揺れる。