「……はなせ、」
「そんなふらふらで何言ってんの。安心しなよ、俺女には飢えてないから」
「……」
「というわけで、ゆっくり寝てなよ」


……なにがというわけで、なんだか。

全然安心できない。



できないはずなのに、自然と瞼は重くなっていて、


「…………おやすみ、───ちゃん」


意識が完全に落ちる前、僅かに聞こえたその言葉を最後にぷつりと意識が途絶えた。