今日も理人たち六代目は忙しそうにしている。
挨拶程度にしか会っていないけれど、みんな優しそうな人達だった。
引退する日に、最後に水月のみんなで走るらしい。
最後だからとその日を狙って襲撃にくる族も多いだろう。
それに代替わりの時期は幹部が不在がちになって不安定になることも多いから、狙ってくる族も後を絶たない。
わたしを受け入れてくれた水月や理人たちの負担を少しでも減らしたくて、
「あれ?今帰ってきたの?おかえり、翡翠ちゃん」
「……ただいま、理人」
─────わたしは水月の姫を名乗っている。
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