反射的に前に飛び出た体を椿に受け止めてもらいながら、サイドミラーを確認する。
複数のバイクが囲むようにいて、その誰もが顔を覆い隠しながら、手には鉄パイプを持っていた。
恐らく片側から飛び出てきたバイクを避けるため、智哉がハンドルを切ったところで囲まれたんだろう。
「ちょっとぉおお!っもう!どういうことなのよ!」
うおおと泣きそうとも雄叫びともとれる声を上げた智哉にはさすがに申し訳なくなってくる。
「ごめん、智哉」
「っ翡翠きゅん!?そうだった…!アタシってば推しの前で取り乱すなんて恥ずかしいわ!」
ハッと我に返ったような智哉が、サングラスを放り投げる。
現れた濃い灰色の瞳が、キュッと細まる。
「……待ってて、翡翠きゅん。アタシがなにを犠牲にしても必ず連れて帰るわ」
初めて聞いた智哉の低い男性の声。
……いつもは作ったような声を出しているから、一瞬誰かと思った。
複数のバイクが囲むようにいて、その誰もが顔を覆い隠しながら、手には鉄パイプを持っていた。
恐らく片側から飛び出てきたバイクを避けるため、智哉がハンドルを切ったところで囲まれたんだろう。
「ちょっとぉおお!っもう!どういうことなのよ!」
うおおと泣きそうとも雄叫びともとれる声を上げた智哉にはさすがに申し訳なくなってくる。
「ごめん、智哉」
「っ翡翠きゅん!?そうだった…!アタシってば推しの前で取り乱すなんて恥ずかしいわ!」
ハッと我に返ったような智哉が、サングラスを放り投げる。
現れた濃い灰色の瞳が、キュッと細まる。
「……待ってて、翡翠きゅん。アタシがなにを犠牲にしても必ず連れて帰るわ」
初めて聞いた智哉の低い男性の声。
……いつもは作ったような声を出しているから、一瞬誰かと思った。
