ぱたり、と倒れた男たちを前にぼんやりと空を見上げる。

寂れた倉庫では月さえも見えなくて、服に着いた血も、闇が覆い隠す。


「……はあ、」


ズキリ、と痛みを訴える頭を抑えて潰したばかりの族の倉庫を後にしする。

闇に紛れるように暗い路地裏を縫い歩くが、どうにも足元がおぼつかなくなる。


……まずい。熱が上がってきたのかも。



「───こんなところで何やってんの?」


思わずはっ、と息を呑んだ。

月の光を背にその男は立っていて、鮮やかな金髪に思わず目を細める。