───やがて、海岸沿いにある黒い倉庫に車は停車した。 開け放たれた倉庫の扉の隙間から、こちらを見つめる複数の目。 その視線は、好奇心で満ち溢れている。 一足先に降りた理人が、わたしのドアを開けて、 「──お手をどうぞ。お姫様?」 この状況を楽しむように、手を差し伸べる。 お姫様、なんて聞きなれない単語にぞわりと鳥肌を立てながらその瞳に促されるように手を重ねる。 それだけで、うおお!とざわめきにも似た声が倉庫の中の男達から響く。