額に触れた冷たいなにかにゆっくりと意識が覚醒する。

朧気な視界の端に翔真の姿を見つけて勢いよく起き上がると、まんまるく目を見開いた翔真と目が合う。


「おい、翡翠。急に起き上がんなよ、」
「よかった」
「………は?」
「夢じゃなくて、よかった」


くらりと目眩がしてベットに倒れ込みながらそう言うと、なぜかベッドに突っ伏した翔真。


「翔真?」
「…………お前さ、」


起き上がった黒目が熱に浮かされたようにゆらりと揺れているように見えた。


「俺のことどうしたいわけ?」