言葉を話せなくなった彼に困惑して周りを見ると、他のメンバーがあちゃあ、と言わんばかりに額に手を当て上を見上げていた。


「翡翠さん、こいつもうだめっスよ」
「……一体なにがあったんだ?」
「……」
「一斉に黙るな」


バイクから下りて、未だ顔を真っ赤にして震える彼に首を傾げると他のメンバーが突然口を閉じる。


「翔真さんとなんか合ったんスか?」
「……べつに」


ぷいっと顔を背ける。


だって恥ずかしい。




……顔を見たら赤面しそうだから、なんて。