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「───本堂さん!」
はっ、として周りを窺うと、どこか心配したような顔の委員長と目が合う。
「どこか上の空ですわね。具合でも悪いんですの?」
「……ちょっと考え事してた」
気付かないうちにすっかり日は暮れて放課後になっていた。
首を振ると僅かに眼鏡が動いて、指で押し上げる。
翔真が用意した、わたしが水月の総長だとバレないようにするための伊達メガネ。
「素敵な眼鏡ですわね。お似合いですわ。それに、お揃いみたいで嬉しいですわ」
はにかむように笑った委員長に頬がゆるむのもつかの間。
「大切な方からの贈り物ですのね」
「……え?」
「だってそれを掛けている本堂さん、穏やかな顔をしてらっしゃるもの」
「穏やかって……」
「恋する女の子の顔ですわ!」
