歴代最強のオヒメサマ

敬語が取れてチッ、と舌打ちをした男の声に思わず目の前の理人を押しのける


───つもりが勢いよく突き飛ばしてしまったようで。

ベッドから転げ落ちた理人には気付かず、ただ目の前の男を捕まえようと手を伸ばす。


「翔真!」
「………は?」


黒目をまんまるくさせて見開いた翔真は、

「ひすい…………?」

呆然とわたしの名前を呟く。


最後に見た時は黒髪だったのに、今は銀髪になっていて。

ほんの少し前まではわたしと変わらない背丈だったくせに、もうわたしを追い越している。




───たった数ヶ月会わなかっただけで、幼馴染は別人のようになっていた。