「───お前ら、なにしてんだよ」
ふいに聞こえた低い声に、わたしの足を掴んでいた彼らが呆然と声の主──翔真を見上げて、その冷えた視線が自分の手に向いていると悟ってパッと手を離した。
「お、俺らは翔真さんを応援してるッス!!!」
「はあ?……スポンサーかよ」
「っぶは…!」
言い残して去っていく彼らに向かって呟いた翔真に、他のメンバーから吹き出すような声が聞こえた。
……わかる。わたしも頭の中で、CM入る前のスポンサー紹介のところ流れた。
「………ほら、帰るぞ」
「なんで手、」
「お前が逃げないようにだよ」
「……逃げないし」
右手を引かれたまま二階へと上がる。
わたしがおれと言っただけであれだけ騒いでいたのに千佳たちは、その話をすることなく各々好きに過ごしていた。
