あまりの爆音に眉をひそめながら一歩踏み出すと、


「あの人が水月の七代目……」
「姫から総長ってことは女の人なんだよね…。なに、あの圧倒的な美の暴力……」
「……あの狂犬智哉の態度もそうだし、なによりあの最年少でクセ者揃いの幹部たちを従えてるだけあって、オーラがやべえ…」
「女でも男でもいい!抱かれたい!」


聞こえてくる声に、にんまりと笑みを作る千佳と椿。

おそらく、こうなることを想定してたんだろう。



「帰るぞ」
「了解、総長」



普段は総長なんて言わないくせに、こういうときばかりそう言って翻すわたしの後を追ってくる。