熱を持った瞳で、キスをする翔真の顔は見慣れない。

あんなこと……族に入る前はしなかったのに。

女なら誰でもいいって奴ではないけど、


………翔真がなに考えているか掴めない。



「翔真はよっぽど翡翠きゅんが好きなのね。キュンキュンしちゃったわ〜!」


ンキャッ!とよく分からない声が運転席から上がる。



………そういえば智哉がいたんだった。


なのに、智哉の前で平然とキスするなんて。


「いいのよ、もっとして。推しの新たな一面が見れるなんて最っ高だわ〜!」
「……もうしない」
「どうかしら?翔真ならどこでもチュッチュッしそうよ!」
「あの女好きめ」
「あら?翔真は女嫌いで有名よ。きっと翡翠きゅんだけね」
「……」
「あーん、愛されてるわね!翡翠きゅん!」



愛されてる……?わたしが……?