フルスモークになっているから窓の外からは見えないけど、車が停まっているのに出てこない俺たちに痺れを切らした千佳がドンドンと窓を叩く。
その音に我に返った翡翠が、大して力の籠っていない手で俺の胸を叩く。
仕方なく翡翠の唇を甘噛みしてから名残惜しむようにペロリと舐めてその唇を離すころには、その瞳は少し潤んで頬は僅かに桃色に色付いていて思わず、
「………えっろ、」
「は?!」
やべ、聞こえてたか。
「……っ、翔真のばかやろう」
「待て待て」
今にも飛び出していきそうな翡翠の腕を慌てて掴んで、
「んな顔で行かせるわけねえだろ。俺が先行くから、お前はその顔をどうにかしてから来い」
もう一回キスしたいのを、ぐっと堪えて車を下りる。
【翔真side END】
その音に我に返った翡翠が、大して力の籠っていない手で俺の胸を叩く。
仕方なく翡翠の唇を甘噛みしてから名残惜しむようにペロリと舐めてその唇を離すころには、その瞳は少し潤んで頬は僅かに桃色に色付いていて思わず、
「………えっろ、」
「は?!」
やべ、聞こえてたか。
「……っ、翔真のばかやろう」
「待て待て」
今にも飛び出していきそうな翡翠の腕を慌てて掴んで、
「んな顔で行かせるわけねえだろ。俺が先行くから、お前はその顔をどうにかしてから来い」
もう一回キスしたいのを、ぐっと堪えて車を下りる。
【翔真side END】
