息を呑んだのはどちらだったのか、男の唇が微かに動くと同時に、勢いよく音を立てて扉が開く。
「理人さん!!」
「…………そんな騒ぐなって」
「騒ぐなじゃないですよ。俺言いましたよね?ここに女を連れ込まないでくださいって」
「はいはい。わかってるよ」
部屋へ入ってきた男の声に、わたしの上に覆いかぶさっていた理人と呼ばれていた彼が気怠げに振り返る。
理人に隠れていて、声を荒らげる男の姿は見えない。
……だけど、わたしはこの声を知っている。
聞きなれない敬語をしているけど、わたしがこの声を間違えるわけがない。
「……わかってたら、そうやって連れ込まねえっつーの」
「理人さん!!」
「…………そんな騒ぐなって」
「騒ぐなじゃないですよ。俺言いましたよね?ここに女を連れ込まないでくださいって」
「はいはい。わかってるよ」
部屋へ入ってきた男の声に、わたしの上に覆いかぶさっていた理人と呼ばれていた彼が気怠げに振り返る。
理人に隠れていて、声を荒らげる男の姿は見えない。
……だけど、わたしはこの声を知っている。
聞きなれない敬語をしているけど、わたしがこの声を間違えるわけがない。
「……わかってたら、そうやって連れ込まねえっつーの」
